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ゴーフルとは

About Gaufres

世代を超えて
愛され続けるゴーフル

1929 ゴーフル誕生

1929年(昭和4年)、風月堂一門によって開発された「ゴーフル」。砂糖を多く使った甘みの強い和菓子が上菓子とされていた時代に、サックリとした食感で口どけが良く上品な甘さの「ゴーフル」の登場は、新鮮な驚きをもって世の中に迎え入れられ、大変な好評を博しました。

「カルルス煎餅」から「ゴーフル」へ

風月堂では、明治の初期から2枚の鉄板で生地を挟んで焼く「はさみ焼」技法を使った「カルルス煎餅」が販売されていました。この「カルルス煎餅」の技法を活かし、「ゴーフル」の開発が当時の風月堂一門の工場でなされたのです。

戦前の上野風月堂の菓子工場。
左端の職人がゴーフルのウエハースを手で焼いている。

手焼きゴーフルの型

ゴーフル誕生秘話

1929年(昭和4年)、風月堂一門によって代表菓子「ゴーフル」が誕生しました。

このゴーフルの誕生に立ち会った上野風月堂 市村文兵衛工場長(故人)※1が、社史作成の為に綴った手記があります。当時の詳しい様子が記されていますので、一部を抜粋しゴーフル誕生秘話としてご紹介いたします。

市村文兵衛氏直筆の手記。

“ゴーフル誕生当時の工場の様子”

「1929年(昭和4年)の入店当時、南鍋町風月堂の和菓子部工場は、南伝馬町総本店、南鍋町風月堂の両店の商品を製造していました。

年末に隣家からの火災により独身者の寮と洋菓子工場の一部が火災にあいましたため、洋菓子工場と和菓子工場が一所になりました。そして工場の一部を改造して寮とし、約30名の方々が寝起きするようになりました。洋菓子工場の職長は門林弥太郎氏で、大阪北浜風月堂におられた川村氏が次長として働いておられました。また神戸風月堂の吉川氏も修行のために洋菓子部におられました。」

“カルルス煎餅からゴーフルへ”

「当時はセンベイ屋の杉山さん(注:煎餅担当の意味)がカルルス煎餅※2を焼いていましたが、ときどき見本用にゴーフル用のセンベイを焼いては届けておられました。当時は米津恒次郎氏の配合表の指示があり、粉は杉山さんの配慮によりときどき銘柄を変えて焼かれておられました。私の入店当時はすでに何十個と焼かれ研究されていたそうですが、米津氏の気に入るようなセンベイはなかなかできず、杉山さんはお困りのようでした。」

「ゴーフル用の粉の見本として日清製粉と日本製粉から全製品の粉を取り寄せ、次々と焼いていきましたが、米津氏の気に入るものはできませんでした。
1929年(昭和4年)の9月頃から10月初旬になって、最後に色の黒い内地産の麦を主体にした中力粉「そば・うどん用」の日本製粉の『竹』という銘柄の粉を使用して焼いたセンベイを米津氏にお届けしましたところ、口どけや歯ざわりがとても良く米津氏も大変気に入り、やっと合格いたしました。」

「クリームに使用いたしました油脂はUSA製品の『スノードリフト』というショートニングでした。
クリームはバニラとチョコレートの2種類で、缶はチョコレート色の缶を使用し12枚入りの缶は1円20銭で、24枚入りの缶は2円40銭でした。参考までに申しますと、当時の物価は銀座でも『そば』が9銭、『市電』は片道7銭といった時代でした。」

“時代の先端菓子ゴーフル誕生”

「当時の和菓子は砂糖を多く使用し甘みの強いものが多く、ゴーフルのようなソフトで甘みの少ない商品は最高級なものとして大変にお客さまからご好評をいただきました。

そのころより杉山さんは毎日ゴーフルを焼かれ、杉山さん、私たちがクリームを作り丁寧にサンドするようになりました。1929年(昭和4年)10月末のことでした。」

※1 市村 文兵衛(いちむら もんべえ)
昭和4年、南鍋町風月堂に入店。昭和10年に上野風月堂へ移ります。戦後は上野風月堂の復興に尽力し、上野風月堂の和菓子部の職長、工場長をつとめました。

※2 上野風月堂では、明治の初期より「カルルス煎餅」を販売していたという記録が残っています。
カルルス煎餅とは今でも温泉土産でよく見かける軽い炭酸煎餅の原型となった商品。

「変化を愉しみ、文化を創る」上野風月堂の挑戦

ご年配の方からお子様まで、日本中の方々に愛され続ける銘菓「ゴーフル」。上野風月堂では、その変わらぬ美味しさを守りながら、新しい挑戦を続けています。パッケージリニューアルもそのひとつ。常に変化を捉え、時代に即した新鮮なデザインをお客様にお届けしています。

戦前の上野風月堂のリーフレット

戦後の上野風月堂のリーフレット

また、「ゴーフル」で培われた伝統の「はさみ焼」技法を活かし、江戸っ子企業が発信する新しい東京土産として「東京カラメリゼ」を開発。「ゴーフル」とはまたひと味違った美味しさで好評を博しています。

創業270周年の上野風月堂本店リニューアルを機に開発されたのが、モチモチの食感の「ゴーフレーシュ」。店頭で職人が一枚一枚「はさみ焼」で皮を焼き、フレッシュなクリームを挟んでお作りしています。こちらは上野風月堂本店でしか食べられない味として人気です。

東京カラメリゼ

ゴーフレーシュ

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