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第二四回

江戸の行事食~恵比寿講とべったら漬け~

 江戸時代は神無月と呼ばれる10月に全国の神様が出雲に集まり、恵比寿様が留守神として地元に居残ると信じられていました。恵比寿様は商売の神様なので、10月になると商家を中心に恵比寿講が全国各地で盛んに行われます。

 当時風月堂が暖簾を上げていた京橋・日本橋エリアはお江戸の商業の中心地だったため、恵比寿講は町を挙げての一大イベント。10月20日の恵比寿講当日にそなえ、前日夜にはイベントに必要なものを売る市が立ちます。これを「腐れ市」または「べったら市」と呼びました。

 一体なんでそんな名前で呼ばれるようになったかというと・・・。市には神棚や三方などと一緒に、御祝儀物の鯛やべったら漬が並びます。べったら漬けというのは、大根を砂糖と米麹で漬けた浅漬け。江戸時代の中ごろ、江戸近郊で獲れる大根を麹と飴で加工して、恵比寿講前日の買い物客向けの軽食として提供したのが始まりです。
冷蔵庫のない当時、常温で保管された鯛が独特の生臭さを放ち、そこにべったら漬けの漬物独特の匂いがミックスして何とも言えない臭さが漂う結果になってしまったことから「腐れ市」と呼ばれるように。

 また、べったら漬けは砂糖と米麹を使っているために手に付くと結構ベタベタします。このため若者が振袖姿の娘を見つけると「べったら(べったりの意味)だー!」と囃しながら追いかけ廻し、振袖にベタベタなすりつけようとしたことが「べったら市」の由来と考えられています。迷惑な話ですが(笑)、江戸の名産品として多くの人に親しまれ、最後の将軍・徳川慶喜も大好物だったそう。

 現在でも10月19日・20日には、日本橋の宝田恵比寿神社を中心に「べったら市」が開かれ、500軒ものべったら漬けの屋台が立ち並びます。江戸⇔東京に引き継がれてきた食文化。大切にしたいですね。

本文イラスト:ほーりー

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