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第五一回

ハロウィンといえば、蕪⁈

現在ハロウィンといえば南瓜ですが、実はハロウィン発祥の地であるアイルランドで使われていたのは蕪でした。

アイルランドには「生前に悪事を働いた男の魂が、天国にも地獄にもゆけずに蕪で作ったランプに火をともしてこの世をさまよっている」という民話があります。
このため、この世とあの世がつながるとされる10月31日に、蕪をくりぬいて作った仮面を被って悪魔の仲間だと思わせたり、蕪で作ったランタンを魔除けの道具として使うようなったんだとか。
この風習がアメリカに伝わったときに、蕪が手に入りにくかったため南瓜に置き換わったということなんですね。

蕪は日本には弥生時代ごろには伝わっていましたが、日本全国に広まったのは江戸時代のこと。
蕪の語源は根の部分が膨らんで丸くなる形が人間の頭のように見えることから、頭を意味する「かぶり」に見立てたのが由来という説があます。このため「蕪は頭になる(人の上に立つ)ことにつながる縁起物」と認知されるようになりました。

蕪がモチーフの家紋もありますし、食器などの調度品に蕪の絵柄を施すことも。縁起を担いで食べる機会も多くなり、全国各地域で特色ある蕪が愛されていました。

「千枚漬け」で有名な重さ1.5キロ~3キロほどにもなる京都の聖護院蕪や、山形県でとれる赤蕪の温海蕪、滋賀県でとれる上部が紫で下部が白の日野名蕪などは、当時からご当地名物のブランド蕪として全国的に有名だったのです。

江戸の産地は品川、滝野川のあたり。ここでとれる蕪は長さ20センチほどの細長い形をしていて、まるで小ぶりな大根のような見た目が特徴。

漬物やみそ汁の具にするのに最適で、庶民の食卓に欠かせない食材でした。

本文イラスト:ほーりー

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