HOME ブランドサイト 江戸を楽しむ 江戸時代のお盆 ~鬼灯と盆踊り~

江戸を楽しむ

Enjoy Edo

第五〇回

江戸時代のお盆 ~鬼灯と盆踊り~

夏の夜といえば盆踊り。風にのってお囃子の音が聞こえてくるとワクワクしますよね。お盆の元になっているのは、盂蘭盆経という仏教のお経と考えられています。

その内容は次のようなもの。

昔々、お釈迦様の弟子の目連という人が、亡くなった母が餓鬼道に落ちて苦しんでいることを知った。お釈迦様に相談したところ「僧侶たちが夏の修行を終える7月15日にお供物をささげれば、母の供養にもなって餓鬼道からぬけだせる」といわれたのでこれに従ったところ、無事に母が極楽往生を遂げた。

このことから中国で旧暦の7月15日に先祖の供養をする風習が生まれ、日本に入ってくるとご先祖様の霊が返ってくるという独自要素が加わり、江戸時代には庶民にまで広まりました。

ちなみに旧暦の7月15日は新暦だと8月半ばにあたることから、現代では8月15日にお盆を迎える地域も多いですよね。


お盆のお飾りが定着したのも江戸時代。たとえば鬼灯は、見た目が提灯に似ていることからご先祖様をお迎えする目印になると考えられ、お盆の時期になると市が立ちました。

また、飾るだけでなく実を食べていたんです。鬼灯の実を丸呑みすると、大人は持病が治り、子供は腹痛が治るという民間信仰がありました。生薬としても、利尿、鎮痛、解熱などの作用があるそうで重宝がられました。   

現在売られている鑑賞用の鬼灯には毒性があるので、口に入れる際は必ず食用を選んでくださいね。

そして気になる盆踊りですが、意外なことに三都では下火でした。盛り上がり過ぎるため規制の対象になっていたんです。

ただ越後国(新潟県)出身者は大の盆踊り好きで知られ、江戸でも仲間で集まってお酒を飲みながら徹夜で踊りあかしました。


江戸の盆踊りは、新潟県人会的なノリだったんです。

 

本文イラスト:ほーりー

この回をご覧になられた方におすすめ商品

エラーメッセージ