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第五四回

江戸の秋といえば〝だらだら祭り〟

江戸・東京を代表する秋祭りとして有名なのが芝神明宮(芝大神宮)のお祭り。九月十一日から二十一日まで十一日間も続くため、だらだら長く続く祭り=〝だらだら祭り〟として江戸時代から現在まで続いています。

何故そんなに長期間祭りが続くのでしょうか?それは芝神明宮が、伊勢神宮の御祭神である天照大御神と豊受大神の二柱を主祭神としているから。

江戸時代には伊勢参りが大流行しましたが、実際に江戸から伊勢神宮に参詣できる人は多くはありませんでした。徒歩で行くには遠いですし、膨大な費用もかかりますからね。

このため身近なところにある芝神明宮のお祭りに行って「少しでもご利益を授かりたい!」という人が殺到。神社側も出来る限り多くの人を受け入れようと尽力したところ祭りの開催期間が延びていき、十一日間も続くようになったというわけです。

そんな〝だらだら祭り〟の名物といえば、葉生姜。若採りした葉のついた状態の生姜のことです。江戸時代には、上野風月堂のお近くの谷中の特産品として有名だったため、谷中生姜とも呼ばれています。

江戸時代後期の史料によると「(祭の期間中境内に)生姜市が立つ。参詣人は葉生姜を買って帰り、家で糠漬にして食べれば風邪の予防になると信じられている。このため、俗に〝生姜祭〟と呼ばれている」とのこと。

実際に葉生姜には消化を助け抗炎症作用が期待される成分が含まれ、免疫力が上がり風邪予防に役立つと考えられるそう。

季節の変わり目で、体調を崩しやすい時期に食すのに最適な野菜なんですね。

もう一つの名物は千木筥。元々は社殿の千木を作る際に残った木材を利用して作ったとも伝わる箱で、中に飴(現在は豆)が入っています。千木を千着にかけて「服がたくさん増えるように」と箪笥にしのばせるお呪いもあり、昔も今も女性に人気のお土産です。

本文イラスト:ほーりー

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