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第八回

大江戸何でもランキング

 江戸東京博物館に所蔵されている史料の『東都御菓子調進司』という江戸のお菓子屋さんの番付表のなかに風月堂の名前を発見!200軒以上ある名店の中で見事、西の小結の座に輝いていました。

 番付表というのは、元々は相撲や歌舞伎役者の序列を順番に書き付けた=ランキング化したもので、江戸時代後期にさしかかる宝暦年間(1751年~1763年)にはすでに紙に刷った形で発行されていました。現在の相撲番付はほぼ当時のスタイルを踏襲しています。やがて相撲や歌舞伎役者の番付表に見たてて、物事を東西にわけてランキング化する見立て番付が盛んにつくられるようになりました。風月堂の名前が載っていた『東都御菓子調進司』も、この見立て番付の一種です。また現在でも馴染のある、お金持ちのランキング=長者番付も江戸時代には既に存在し、人気を博していたんですよ。

 『日々徳用倹約料理角力取組』という、節約おかずランキングもありました。東方の精進方(植物系を使ったおかず)と、西方の魚類方にわけられており、序列は精進方は大関=八はい豆腐(醤油味で煮た豆腐)、関脇=こぶあぶらげ(昆布と油揚げの煮物)、小結=きんぴらごぼう。魚類方は大関=めざしいわし、関脇=むき身切ぼし(貝のむき身と切干大根の煮物)、小結=芝エビ乾煎り。当時の庶民の食卓が目に浮かびますね。

 他にも料理屋や名所旧跡、自然災害まで様々な見立て番付がつくられました。日本人のランキング好きは、実は江戸時代に始まっていたんですね。

本文イラスト:ほーりー

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