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第四九回

桃のお花見のススメ

上野風月堂の商品ラインナップにプティゴーフルさくらが登場すると、「今年もお花見シーズンが来るなぁ」とワクワクします。

現代人にとってお花見といえば桜のイメージが強いですが、江戸人は桃のお花見も楽しんでいました。桃は縄文時代末期に中国から伝来。それ以来、特別な霊力が宿る魔除けのパワーがある植物だと考えられてきました。特に、香りの強い桃の果実は悪いものを退ける力が強いと信じられ呪術にも用いられてきたのです。

ひな祭りで桃の花が飾られるのも、このような考え方に基づいてのこと。

ちなみに、ひな祭りのお飾りの定番である菱餅は、生命力が強い菱の実にあやかって、その形を模したものです。江戸時代には菱の実を入れた白い餅と、やはり香りが強く魔除けの力を持つとされた蓬を入れた緑の餅の二色の菱餅でした。

女の子の健やかな成長を祈る気持ちが込められた和菓子なんですね。現在でもひな祭りは〝桃の節句〟と呼ばれるものの、正直あまりピンとこないという方も多いのではないでしょうか。これは新暦の三月三日が桃の花が咲く季節ではないから。旧暦の三月三日は現在よりも1カ月ほど後なので、ちょうど桃の開花の時期だったのです。桃の開花時期は地域によってもかわりますが、桜の開花の少し前、もしくは同時という場合が多く、江戸時代の人々は桜のお花見と同時期に桃のお花見も楽しんでいました。

東京の桜の名所として名高い上野公園にも、桜に紛れて桃が咲いていますよ。見分け方は、桜の花びらが先割れなのに対し、桃の花びらは先が尖っていること。
私のお気に入りは、清水観音堂の近くの枝垂れ桃です。一本にピンクと紅色の花が咲いてとっても可愛いんです。機会があったら是非注目してみてください。そして、お花見の後はお近くの上野風月堂へ!
 

本文イラスト:ほーりー

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